完成物件

こんにちは、営業部の伊藤です。

はじめに、この度の令和6年能登半島地震により被害をうけられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一日でも早く平穏な生活に戻られますよう心よりお祈り申し上げます。

今回は、創業250年以上(宝暦年間:西暦1751年~1763年)になる石川県金沢市の老舗染物店「染元平木屋」の改修工事についてお話させていただきます。
平木屋の建物は藩政末期に再建されて以降現在も染め物業が営まれ、往時から明治期にかけての古い建築様式が残り、2021年には市文化財に指定されています。

市内の茶室の利活用が課題となる中、平木屋では新たな茶室で月釜を開くなどして、加賀茶道を発信しています。
修復作業中に藩政期の色壁の痕跡が見つかり、当初と同じ青壁に復元し、腰張には平木教授の弟で、能楽師である職人の豊男さんが用意した幕末の謡本をあしらいました。ふすまは加賀藩御用絵師・佐々木泉景のびょうぶを再生して新調しました。

築年数相当の傷みがあったため、建物を1.5m持ち上げ基礎工事を行った後、壁、軸組、屋根の修理を行い、創建当時の姿を残しつつ気密断熱性能を高めることで今後150年以上建物を維持できるよう施工いたしました。

今回、第50回石川県デザイン展において、石川県観光連盟会長賞を受賞いたしました。
これからも、記憶に残る印象的な空間づくりをしていきたいと思います。