現場より

こんにちは、公共・開発工事部の高尾です。

新型コロナウイルス感染拡大により金沢市にもまん延防止等重点措置が出てなかなか外出の機会が得られず、
一日でも早くコロナ終息をと願うばかりです。

世の中自粛モードのなかで、今回皆様に少しでも観光気分を味わっていただきたく、
2020年7月に完成した鼠多門について書かせていただきます。

兼六・松浦・ほそ川特定建設工事共同企業体(JV)として石川県より受注しました金沢城鼠多門の復元工事、
実はほそ川建設として金沢城公園内の工事に携わらさせていただくのは、玉泉院丸庭園以来約5年ぶりでした。
約2年間かけての大工事となりましたが無事に完成し、現在では観光名所として供用されています。

鼠多門最大の特徴として、海鼠壁の目地が黒漆喰で仕上げられており全国の城郭建築として例を見ないとのことで
大変重厚感のある門となっています。
復元工事ということで、古写真や絵図、発掘調査により判明した柱の位置等(他にも色々ありますが…)
をもとに設計され失われたものをかつての姿のように新たにつくるということで丁寧かつ慎重な工事が求められました。

門部分はケヤキという材種の木材が使用されており、樹齢100年以上の木材も使用されていて
見ごたえ抜群です。
写真で見える柱の位置も発掘調査により礎石(建物の柱を受ける土台石)に見られた跡(昔の柱位置)
へ忠実に施工されています。

内部は石川県産材の能登ヒバ・杉が多く使用されており、その他でも松・ケヤキが使用されていて
使用部位により樹種を使い分けられています。
『本物』を目で見て体感できる内観となっています。

金沢城公園ではライトアップも行っていますので(詳しい日時はHPでお調べください)、
石川県の緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルスが落ち着いてから
ご家族ご友人とぜひお立ち寄りください。

私自身一生に経験できるかできないかの大仕事を経験させていただいて
誇りに思いますし、この経験をむだにせず今後に生かしていきます。
これからも丁寧かつ慎重な建物を残していきたいと思います。